ある晩、異変に気付きました。
いつも通り夫婦で食事をとっていたら、妙にわたげ(猫)がトイレに行くのです。
出たり入ったりを繰り返して、ウロウロあたりを徘徊して。
しばらくそれを繰り返したら、いつものお気に入りの猫鍋に戻っていきました。
そんな日が2日ほど続き、トイレ掃除担当の旦那様がポツンと一言こぼしました。

わたげ、全然おしっこ出てない気がする。
その一言で、これはただ事ではないのだと確信しました。
夫は以前実家で飼っていた猫が尿結石になってしまったことを私に話してくれたのです。
翌日わたげを病院へ連れて行くことにしました。
この時は、正直「猫にはよくあることなんだ」と少し軽い気持ちでいてしまった自分がいました。
わたげは避妊手術も終えて1年半、まだ2歳になったばかりの元気な猫様です。
これまで目立った大病を患うことなく、一度も加入しているペット保険を利用することもなかった、とっても元気な女の子。
でも、そういえば、
そう言われてみると、
最近キャットタワーに登らないし、
猫じゃらしを出しても、あまりジャレてこない気がする。
食欲も、ちょっと減っている・・・かも。
2ヶ月前に子猫が家に新しくやってきたから、ちょっとヘソを曲げているだけなのかな、
なんて安易に考えていましたが、
思い返すと不安なことばかりが脳裏を過ぎってしまいました。
わたげを病院へ連れていくのは、一苦労です(^_^;)
嫌な思い出が詰まっているからか、キャリーバッグを押入れから出すだけで
脱兎の如く、どこか隅っこに逃げていきます。
抵抗するわたげを抱き抱え外に連れていくと、玄関のドアにしがみついて最後の悪足掻きをされました。
それがまた、あまりにも可愛すぎて、愛しさが爆発しました。
案外車に乗り込むと大人しくなって、鳴き声一つあげなくなります。
わたげはとっても臆病でビビリさんです。
病院では、まず触診を受けました。
先生がわたげの膀胱あたりを触って、変わった様子はありませんかと聞かれました。
あまり元気がなさそうなこと
トイレの回数が異常に多いこと
最近子猫がやってきたこと
それらを話おえると、一度心電図とエコーを撮ってみましょう と言われました。
心電図とエコー写真を撮影するために写真の位置程度の場所をバリカンで剃りました。
看護師さんと協力して両足を抑えてです。
可愛い我が子のもふ毛が剃られていくのを黙ってみているしかないことに、とても罪悪感を感じました・・・。
ちなみに、心電図もみる理由は、膀胱周辺に異常がある場合、心臓に負荷がかかっている猫も多いからだそうです。
また、念のためわたげの採血もしていただいたのですが、幸いにも
心電図と採血には異常は見られませんでした。
本当にホッとしました。
しかし、問題なのは、やはり膀胱の方らしく

もしかしたら、ガンの可能性もあります
先生の言葉に、頭が真っ白になりました。
エコー写真を見せてもらうと、
膀胱の右下が白くなっていたんです。
カケラもない絵心で表現すると、上のような形です。
丸いのが膀胱で、右下にある凸凹が異常な部分。
通常の膀胱炎の場合は断面が比較的ボコボコしていないらしいのですが、
わたげの場合は、表面が絵のように無数の凹凸がありました。
そして、血液の流れをエコーの機械で見せてもらうと、少し反応していました。
炎症を起こしているため、血液の流れが見えるそうです。

今までの事例で、膀胱炎でも同じように凹凸のあった子もいます。

あの、エコーや血液検査だけでは、ガンかどうかは判断できないものなんですか・・・?

今の状況で判断するのは難しいです。でもまだそうと決まったわけではありません。様子をみましょう。

・・・わかりました。
ショックで言葉が詰まりました。
それでも、なんとか先生に詳しく話を聞くと、
もしも膀胱炎でなかった場合は、良性の腫瘍という可能性もあるそうです。
ただ、悪性だった場合は、かかりつけの病院では検査ができないため、大きな病院へ紹介状を書いて検査をし、治療するそうです。
しかしその治療は、
根治治療ではないと言われました。
つい数日前まではなんともなかったはずなのに・・・。
あまりに受け入れがたい事実に、帰りの車の中で、一人涙が止まりませんでした。
先生によると、ただの膀胱炎だとしても腫れは相当大きい部類に入るとのこと。
もしかしたら、もっと前からSOSを出していたかもしれないし、
もっとよく見てあげていたら病院にお世話になることもなかったかもしれない。
どうしてもっと早く気付いてあげられなかったんだろう。
どうして・・・。
後悔で胸が締め付けられました。
しかし、そうくよくよばかりはしていらません。
わたげの闘病生活をしっかり支えて行かなければならないのです。
もらった錠剤のお薬を毎晩、食事後に飲ませてあげなければなりません。
しかしこれがまた、とっても大変なのです。
わたげはお薬も大っ嫌いなのです。
以前、わたげではなく、ちいたに錠剤を飲ませてあげた経験を活かして
どうにかこうにか飲み込んでもらっていました。
(詳しくは、猫の薬のあげ方まで)
病院に行った当日から、わたげのトイレの回数は激減しました。
注射も打ってもらったからなのでしょうか。
通常通りの回数に戻りつつあり、ひとまず安堵しました。
ただ、先生曰く、膀胱炎の原因は
・細菌性
・突発性
と大きく二つに分かれているそうで、
後者の場合、ストレスも大きな要因の一つと言われました。
多頭飼育、引越し、環境の変化(子猫が増えた、子どもができた、など)が考えられる要因のようです。
我が家には3匹の猫がいますし、最近引越しをし、さらに子猫が増えたことによって、きっとわたげには大きな負荷がかかっていたんですね。
キャットタワーの設置
快適な空調管理
適度な運動の助長


・・・

うーん

(先生、何か言ってくれてもいいのに・・・)


奥さん、手伝ってもらってもいいですか。こう、飛んでいるみたいな形で、上に持ち上げて足を広げさせて欲しいんです。



ガンの可能性は低そうですね。
よかった。本当によかった・・・!
そもそも、若干わずか2歳という年齢であれば、
ガンである確率の方がはるかに低いそうですが、
私は初めて飼ったワンちゃんを乳がんで亡くしています。
あの子はまだたったの8歳で、
最後の最後は、ガンの痛みに耐えかねて毎晩、クーン、クーンと鳴いていました。
見ているこちらまで辛くなりました。
そんな思いはもう二度としたくないと思うのが、きっと飼い主さんたち皆んなの願いだと思います。
この記事を読んだ方で、少しでも皆さんの家族に違和感を感じる方がいれば、
迷わず病院へ連れて行ってあげてください。
元気であることが一番です。