猫にとって切っても切り離せない病気、それが腎臓病です。
一度腎臓の機能が失われてしまうと、現代医療では再び元の状態へ戻すことができないため、たとえ治療をしても完治することがない不治の病気と言われています。

我が家の愛猫、ハチワレのちいた(♂)も16歳の時に慢性腎不全の診断を受け、今も闘病生活を続けています…
完治しない病気ではありますが、早期に発見して適切な治療を続けていけば、症状の進行を遅らせることができます。
しかしそのため、一般的には『猫自身の体力面や、飼い主の精神的・金銭的負担が大きくなりがち』と言わることも多くある病気です。
猫の腎臓病は性別・猫種に関わらずどんな猫でもかかってしまう可能性があるため、今猫と暮らしている方やこれから猫と暮らしたいと考えている方にとって決して他人事ではない話だと思います。

きっと今この記事を読んでいる方の多くは、猫の腎不全について少しでも気になったり心配になったりしている方が多いと思います
そこで今回は、そんな猫の腎臓病について、実際にどれくらいの治療費がかかって、どのような治療が行われるのか、どのような症状が出るのか、などについて体験談を交えながらできるだけ詳しくご紹介していきたいと思います。
腎臓病になった場合、どのくらいの治療費が必要なのか具体的に知りたい
腎臓病の症状、余命、治療方法、飼い主ができる事が知りたい
腎不全を予防する方法が知りたい
ちいたのプロフィール

腎臓病について書く前に、まずは腎不全と闘う我が家の愛猫「ちいた」について、簡単なプロフィールをご紹介します!
名前:ちいた
年齢:推定18歳(2022年現在)
性別:オス
猫種:雑種・ハチワレ
出生:元野良猫
体重:3.5kg(max4.7kg)
体調:腎不全/関節炎/歯肉炎/首もとにシコリあり
夫が中学生くらいの時に家の近所を歩いていたらすり寄ってきたのがちいただったそうです。
元々は野良猫だったため年齢は推定。
見つけた時から既に成猫に近い体格をしていたそうで、野良猫としていろいろなお家で可愛がられていたのかもしれません。そのため大変人懐っこい性格です。
ちいたは私からすると夫の連れ子(猫)ですが、犬派を猫派に変えられる程度には溺愛して生活しています。

ちなみに我が家にはちいた以外にも2匹の猫が一緒に住んでいます
そんなちいたが腎不全を患ったのは16歳の頃でした。
異変に気づいたキッカケ

なんだか最近ちょっと水飲む量が増えた?
16年一緒に生活してきたからこそ感じた、夫の本当に【些細な違和感】それがちいたが水を飲む回数だったんです。
ちいたも世間一般では高齢猫と言われる15歳を超えていたので、少しの変化にも気を配らなければならないと思っていた時でした。
特段体調に変化はなく、食欲もいつも通りで、一緒に住んでいる猫ともよく遊んでいたので、思い過ごしかなぁとも思っていたのですが、万が一のことがあってからでは遅いと思い、毎年受けていた健康診断を少し前倒しにして病院で血液検査をすることにしたのです。
突然の腎臓病の診断、余命宣告を受ける
検査の結果は信じられないものでした。
去年まではなんの異常もなかったはずなのに、獣医さんから下されたのは【慢性腎不全】の診断だったのです。
数値が極端に悪いわけではなかったのですが、明らかに腎臓に関わる数値が悪いことを指摘されました。
先生からは今後、投薬・食事療法・定期的な点滴が必要になると説明をされ、治る事はないけど緩和治療・ちいたがなるべく辛くならないようなケアをしていきましょうと提案をされました。
治る見込みがないということは、悪くなる一方ということ。
じゃあ、悪くなった行く末はどうなってしまうの・・・?
恐る恐るではありますが、「余命ってどのくらいなんですか」と聞いてみたところ大体は1〜2年ですと言われて愕然・・・。
その時の気持ちは何にも形容し難く、絶望的な気持ちそのものだったのです。
腎臓病の初期症状
我が家の場合は、「水を飲む頻度」で異変を感じましたが、腎臓病の初期症状は他にもいろいろあります。
どのようなものがあるのか、かかりつけの獣医さんやネットで調べたものをまとめてみました。

少しでも不安に感じる症状があれば念の為病院で血液検査を受けることをおすすめ!
水をよく飲む
おしっこの量が増えた
食欲が以前に比べて少ない
寝ていることが多い
キャットタワーや猫じゃらし遊びなどに興味を示さない(あまり動かない)
飼い主さんが気付けやすい症状は【多飲多尿】であることが多いそうです。
また、腎臓病はなかなか猫ちゃんの症状に出にくい病気でもあるため、気づいた時には既にかなり進行していることが多いとのこと。
一見元気そうに見えても、血液検査や尿検査をすると異常が見つかる場合があります。
なるべく1年に1回、高齢猫ちゃんの場合は1年に2回は健康診断をしてあげると早期発見につながると思います。

猫の高齢は11歳から!
高齢になると腎不全のリスクも上がります。普段の仕草に注意してあげてください
進行度別で見る腎臓病の症状
慢性腎臓病は、一般的にはゆっくりと進行していく病だそうです。
進行度別に出てくる主な症状は下記の通りです。
進行度1
症状:多飲・多尿
目立った体調変化がない場合もあるが、この時点で腎機能はかなり低下している可能性あり。
進行度2
症状:食欲低下・元気がない・毛艶がない・貧血・ふらつき・脱水・便秘・嘔吐・胃炎・体重減少
腎機能低下により胃炎が起きやすくなったり、嘔吐が原因で口内炎または歯肉炎になりやすくなっている。

ちなみにちいたは現在この進行度2の状況です
進行が進んでいくと、猫ちゃんにとっては「船酔いしているような感覚」になるそうです。
ずっと吐き気を伴うような気持ち悪さがあるって、考えただけで辛いですね・・・。
進行度3
症状:尿毒症・痙攣・意識レベルの低下
いわゆる末期症状といわれるもの。
腎不全の進行スピード
これはあくまでちいたの場合ではありますが、腎不全の診断を受けてからどのくらいのスピードで病状の変化があったのかまとめてみました。
一例として参考になりましたら幸いです。
- 16歳腎不全の診断を受ける血液検査で腎不全発覚
症状:多飲・多尿
治療:投薬治療、3週間に一度病院で点滴治療、療法食への切り替えをする - 3ヶ月後発作?腎不全の影響なのか、突然てんかんのような症状が現れて倒れた
症状は10秒程度で回復する
関節炎を併発し、後ろ足を引きずるようになった - 7ヶ月後発作がおさまるてんかんのような発作はなくなった
首元に小さなしこりがあることに気づく。
検査は体に負担がかかるということで経過観察することにした - 1年後耳がかなり遠くなる帰ってくると足音に気づいて扉を開ける前にすぐ駆けつけてくれていたのが完全になくなってしまった
治療:点滴ペースを3週に1度→2週に1度へ変える - 1年3ヶ月後大きな山場血液検査で腎不全の数値がかなり悪化していると診断される
元気も食欲もない、歯肉炎も進行していてフードを食べるときに痛みがかなりありそうとのこと
毛艶がかなりなくなり、嘔吐も増えた
治療:1週間病院に通院して点滴を打ってもらいなんとか数値が回復
自宅で毎日点滴ができるように病院で指導を受ける
こうして闘病生活が丸2年経ちました。
現在は自宅で毎日皮下点滴をしている甲斐あってか、数値が安定しているとのことで月に1回病院へ通い血液検査で進行度合いを確認するようになっています。
腎臓病にかかる治療費
ちいたの治療にかかっている年間の治療費は約20万円です。
1ヶ月の内訳は下記の通りです。
項目 | 単価 | 数量 | 金額(税抜) |
診察料 | ¥500 | 1 | ¥500 |
血液検査 | ¥3,500 | 1 | ¥3,500 |
点滴の液(ソルラクト) | ¥350 | 3 | ¥1,050 |
点滴用の針(2種) | ¥60 | 30 | ¥1,800 |
点滴用のシリンジ | ¥120 | 30 | ¥3,600 |
内服薬 | ¥100 | 30 | ¥3,000 |
税込合計金額 ¥14,795/月
1年で¥177,540円に3種混合ワクチンが大体4,000円程度なので、治療費で約20万円となります。
病状に変化があると都度病院で検査や処置をしてもらうため、実際にはもう少しかかっているかもしれません。
これまでかかった金額は、闘病生活が丸2年となったため総額40万円前後となります。
ペット保険の加入を検討することをおすすめ
腎臓病に限ったことではありませんが、猫ちゃんが病気になってしまった場合、我が家のように年間で何十万円も必要になってくるケースは珍しくありません。
万が一の時に備え保険に加入することで、飼い主さんの金銭的な負担を少しでも軽減することができます。

我が家は保険に入っていなかったため全額自己負担しています…。正直子どもが産まれたばかりなので家系的には痛手です…。車を手放し、マイホームは諦めています。
そういった経験から、ちいた以外の2匹の猫たちは0歳の頃から保険へ加入しています。
ペット保険の加入は必ず比較検討した方がいい理由
ペット保険はかなり多くの会社が出していてそれぞれプランもたくさんあり、調べて選ぶのが大変と感じる方も多いと思いますが、必ず比較してから加入することをおすすめします。
なぜなら、ペット保険の中には持病や既往歴がある場合、加入できなかったり、補償対象外となる傷病や加入できる年齢に制限がある場合があるからです。

せっかく保険に入っても、保証対象外だったら入っている意味がないですよね・・・
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気になる保険があれば無料で資料請求もできるため、保証内容もしっかり確認することができます。
PS保険、楽天保険、アクサダイレクトなど有名企業も揃っていて、加入可能年齢も一目で確認できます。
もしまだ保険へ加入していないという方は下記にリンクを貼っておきますので、自分に合った保険があるかどうか確認してみてくださいね。
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ファイナンシャルプランナー(FP)や獣医さんの解説もついているので、何かとややこしい保険のこともわかりやすく教えてくれますよ!
腎臓病を予防する方法
ここまで慢性腎不全についてまとめてきましたが、そもそも病気を予防することが猫ちゃんにとっても最善ですよね。
できるだけリスクを下げるためには以下のような予防策がおすすめです。
飲み水は常に新鮮で清潔なものを
トイレはこまめに掃除して清潔を保つ
きちんとした食事管理
定期的に健康診断を受ける
ワクチンは忘れずに
飲み水は常に新鮮で清潔なものを
猫は元々水をあまり飲まない生き物ですが、それが原因によって腎臓に負担がかかり腎不全になるリスクがあがってしまう場合があります。
そのため、猫に水を飲んでもらうために清潔な水を常に飲める環境を整えてあげることが重要です。

ちなみ我が家ではピュアクリスタルをずっと愛用していました
あるのとないのとではやはり違うみたいで、ちいたも含めてですが我が家の3匹はピュアクリスタルを設置してから以前よりよく水を飲んでくれるようになったと実感しています。
水洗いもしやすく、フィルターの交換もできるので、常に新鮮なお水を設置することができます。
口コミの中には「音が気になる」と書かれていることがありますが、個人的には特に気になりませんでした。
ただ、子どもが産まれてからはコードで遊んでしまったり、流れる水を面白がって遊んでしまったりするというアクシデントが発生したため、今はこちらのコードなしタイプの水受けへ変更しました。
最初はボコボコ水が落ちてくるのに慣れなくてびっくりしたりもしていましたが、今ではこちらの水飲み器も気に入ってくれて上手に飲んでくれています。

電源不要でどこにでも置くことができ、お掃除もしやすいデザインなのがおすすめですよ
トイレはこまめに掃除して清潔を保つ
猫は綺麗好きな子がとても多いです。トイレが汚れていると粗相してしまうだけでなく、そもそもトイレに行くことを我慢してしまう子もいます。
我慢はストレスを感じてしまう原因にもなりますし、内臓に負担をかけてしまう要因にもなるため、トイレはこまめにチェックして清潔にしてあげてください。
仕事などで家を空けてしまうことがどうしても長くなりがちな方には、自動ペットトイレもおすすめです。
お値段はどうしても少々高くつきますが、その代わり今はスマホで排泄回数を記録したり体重を測ってくれたりする機能もついていて、いつでも健康状態をチェックすることができます。
また、消臭効果もかなり期待でき、自動でいつでもトイレを清潔に保ってくれるのは飼い主だけでなく、猫ちゃんにとっても嬉しい機能です。

使ってみると本当に便利さを実感できると思いますよ
きちんとした食事管理
腎不全になった時、必ず指導されるのが食事です。
そのため、なるべく腎臓に負担をかけないように病気になる前からしっかりケアしてあげることで病気の予防にも繋げられます。
食事については一度かかりつけの病院で相談してみてください。
また、かわいい猫ちゃんに甘えられたりおねだりされるとついついおやつやご飯をいつもより多めにあげてしまいたくなることもあると思います。
私は常にその可愛さに誘惑されている1人です…(笑)
しかしながら、肥満は万病の元。
時々飼い主さんが食べているものに興味津々の子もいると思いますが、人間の食べ物は猫ちゃんには塩分などが多すぎる場合もあって消化不良を起こす危険性もあり、内臓に負担をかけてしまいかねません。
必ず市販のキャットフードをあげるか、または、手作りしたいときは猫ちゃんの健康に配慮した食品を使ってください。
定期的に健康診断を受ける
前述でも書きましたが、若い猫ちゃんであっても定期的な健康診断を受けることをおすすめします。
腎不全のリスクは高齢猫の方が上がりますが、若い猫ちゃんでも罹る危険性はあります。
10歳までは少なくとも年1回、11歳以上の高齢猫ちゃんは年に2回。
目で見てわからない病気も血液検査や尿検査で早期発見できる場合があります。
ほとんどの動物病院で実施されていると思いますし、費用は内容にもよると思いますが1万円程度のところが多いと思います。

一度病院へ問い合わせてみてくださいね!
ワクチンは忘れずに
腎臓病には一見関係ないように思うかもしれませんが、他のウイルスによって内臓にダメージを負ってしまいそこから腎臓病になってしまう猫ちゃんもいるそうです。
年に1回、ワクチンを打って出来るだけ病気にかかるリスクを減らしましょう。
ワクチンを打てば、万が一ウイルスに感染しても重症化のリスクを下げることも期待できます!
病院の選び方
色々とまとめて書いてきましたが、病気になってしまった場合もそうでない場合も、何かと病院へお世話になる機会があると思います。
病院選びは重要で、動物病院と一口に言っても対応が全然異なる場合があります。
「相性」や「治療方針」が合わないと猫ちゃんも飼い主さんも辛い思いをすることになってしまうかもしれません。
もしも少しでも違和感を感じるのであればきちんと先生に伝えるか、または飼い主さんや猫ちゃんに合った病院を探すことをおすすめします。

実はちいたも病院を何度か変えているんです
我が家の場合は、仕事の転勤の都合でやむなく…といった理由ではありますが、これまで5つの動物病院へお世話になってきました。
結果的に今診て頂いている病院に巡り会えてよかったのですが、中にはあまり病院の印象が良くないと感じるところがあったのも事実です。
先生との相性ももちろんですが、病院の設備にも着目してみてください。
規模があまり大きくない病院の場合、できる処置にも限界があります。
大きな病院が必ず良いというわけではありませんが、以下のポイントをもとに探すと信頼できる病院に出会える可能性が増えると思います!

私はGoogleの口コミを参考にして選んだのですが、とても参考になりましたよ!
飼い主ができること
最後に、飼い主ができることについてです。
ちいたと共に闘病生活を過ごして2年。
元気だった頃を思うと、ガリガリに痩せてしまい、すっかり「おじいちゃん」だなと感じることが増えました。
穏やかに寝ている顔を見るとついつい色々な思い出が蘇ってきます。
この子と一緒にいられる時間には限りがある。
そしてその終わりはもしかしたら近いのかもしれない。
そう思うと胸が締め付けられます。
私たちがちいたのためにできることはなんなんだろうと、考えない日はありません。
飼い主がしてあげられることには限りがありますし、いろいろな考え、方法、カタチがあると思います。
愛情を持って、最後まで一緒にいる。
私たち夫婦が出した【飼い主ができること】の答えはこれです。
まだ答えが出てない、悩んでる、どうしたらいいのかわからない、なんて方は一度「猫の腎臓病がわかる本」を読んでみるといいかもしれません。

私たち夫婦の愛読書で、お守りみたいに本棚の一番目立つ場所に置いてあります
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
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